冬のコツコツ作業その②です。2023年にボイラの不調が見つかり、運用からリタイヤした6号機もレストア作業が進んでいます。



ボイラーが外されて足回りだけの状態になったことは昨年7月の記事でお伝えしましたが、大分解のタイミングで各所の部品も交換や修理が行われることになりました。
まずは灰箱。蒸気機関車は石炭をくべて燃焼させると灰が出ます。火格子の下に落ちる灰をためておくのが灰箱です。灰がある程度いっぱいになったら、機関庫前で灰箱の下のふたを開き捨てます。
常に熱にさらされる灰箱は消耗品。鉄板に穴が開いてしまう前に交換です。
そして水タンク。6号機はボイラのすぐ真下に「ボトムタンク」と呼ばれる水タンクがあります。水タンクも錆びて朽ちやすい部品のひとつです。水タンクの腐食は思ったよりも進んでいなかったので、内部の錆落としをして再利用になりました。

そして肝腎要のボイラーはこの度大阪の楠ボイラ(株)さんに発注し、イチから製造することになりました。機関車型のボイラーは現在ほとんど製造されていません。しかし楠ボイラさんはそのノウハウを持つ数少ないメーカーのひとつです。過去には当協会の1号機ボイラーを作っていただいたこともあります。
3月上旬に当ホームページ担当YSが工場を訪問したところ溶接の真っ最中で、円筒形のボイラーの形が出来上がっていました。作業員の方が内部の溶接をしている中、「蒸気機関車全盛期の法律と現在のボイラー法規が違うから、それをクリアするのが難しかったですね」と会長さん。
6号機の火室(石炭を燃やす場所)は「ベルペア式火室」。現在のボイラーでは全く使われることのない形状のため、一点ものの難しい依頼を受けていただいた楠ボイラさんには本当に感謝申し上げます。
ボイラーはこの春にはまきば線に届く予定です。

(3月29日のまきば線)
さて、本日29日と明日30日はまきば線の蒸気機関車運転日です。今日は残念ながら雨ですが、雨の日は鉄ちゃんにとっては蒸気がよく見える絶好の撮影日和。1号機と3号機が元気に動いています。皆様のご来場、お待ちしています!